王塚古墳



 今年も「王塚(おうづか)古墳 」春の特別公開ポスターのビジュアルのお手伝いをさせていただきました。

サイケデリック!

その言葉がぴったりな完璧に再現された石室の中に入ると、妙なトランス状態になり引き込まれそうになったのを覚えています。勝手に別名サイケデリック古墳ってよんでいます。

鎮魂・辟邪をテーマに描かれたとされる装飾古墳ですが、特にこの「王塚古墳」はグラフィックデザインをしている人間であれば、これを描いたとされる当時のデザイナー(工人)はこの図柄を並べながらこの色に塗ったのだろうかとか、どうしてこのように並べたのだろうかとか考え込んでしまいます。とにかく、デザインやってる人間なら、絶対気になる存在です!


 長崎街道が通る桂川町は福岡県のほぼ真ん中に位置し、国の特別史跡第1号に指定された王塚古墳には「馬」に纏わる不思議な伝記がありますが、それはまた今度触れてみたいと思います。

王塚古墳は6世紀ごろに造られた横穴式石室を持つ前方後円墳で、石炭発掘の際に偶然発見されるのですが、日本の装飾古墳の中では、赤、黒、黄、緑、白の5色が使われた最も色数の多い彩色壁画古墳です。石室のほぼ全面に施された壁画には、赤と黒の馬と騎馬人物や、蕨手(わらびて)文、靫(ゆぎ)、盾、連続三角紋、双脚輪状文といった特徴的な文様が描かれています。また、馬具、土器など数多くの副葬品が出土していて、当時の高度な文化をうかがえることができます。

  桂川町には王塚古墳をはじめ土師遺跡群や、かつて太宰府天満宮の所轄地であったことを示す土師老松神社がこの地にも多く存在します。社伝によれば、当社地はかつて大国主命と少名毘古那神が諸国巡回の折に逗留した地だとされ、第11代垂仁天皇の時代に、土師氏の一族がこの地に出雲大社の分社として建立したそうです。古代豪族だった土師氏は技術に長じ、出雲、吉備、河内、大和の4世紀末から6世紀前期までの約150年間の間に築かれた古墳時代の、古墳造営や葬送儀礼に関った氏族で桂川には地名が名残として使われているようです。

 こうした数多くの歴史・文化遺産に恵まれた桂川町を象徴するものとして、昨年、(土師)埴輪の馬をモチーフにしたコミュニケーションロゴマークを策定しました。多くの方々に町の魅力をPRする活動が期待されます。 石室の保存のため春と秋に2回だけ特別公開を行なっています。春は4月15日と16日です。 JR博多駅から最寄りの桂川駅まで福北ゆたか線を使って約40分。さくら咲く季節。駅弁を買ってこの機会に是非、福岡の国宝を見に行かれませんか? 

http://www.town.keisen.fukuoka.jp/ouzuka/

DARUMARINGO達磨林檎

酒井真理のイラストなど作品を紹介。 ※イラスト・写真の転用・使用は固く禁じます。 All contents on this site are not allowed to copy transfer reprint or revise.

0コメント

  • 1000 / 1000